自宅で小さく株式会社を起業して大きく飛躍


特に「株式会社」をこれから設立しようとされる方は、「せっかく起業するならちゃんとしたオフィスを借りたい」「株式会社のイメージに合った事務所を構えたい」という思いの強い人も多くいらっしゃいます。

これまでの仕事と同じ分野で起業をする人、営業先や顧客候補をしっかり確保できている人ならまだ不安は少ないかもしれませんが、全く異なる分野に挑戦する場合などは、起業後に会社の資金が回り始めるまでそれなりの日数を要することもあります。

また、最近は新型コロナウィルスの影響もあって、人と人が直接に対面することなくビジネスが進む場面も多くなりました。

小さく始めて固定費用を抑える

事業を始めると、その時々で様々な出費が発生することになりますが、通常、最も大きいのは人を雇用した場合の「人件費」、そしてオフィスを間借りするための「家賃」ではないでしょうか。

人を雇用することが前提のビジネスを始める場合、人件費が発生することは避けることができません。しかしオフィスについては「本当は必要がない」とか「そこまで立派なオフィスで始める意味は乏しい(起業する自分を鼓舞する意味だけが大きい)」という場合も多々あります。

オフィスの賃料は固定費として大きくのしかかります。場合によっては、まず自宅を本店所在地兼オフィスとして活用する、あるいはシェアオフィスのように月額賃料の低いサービスを利用して本店所在地とする、といった方法によって月の固定費を下げることができれば、事業を軌道に乗せていくまでに要するコストを大きく下げられる(そのぶん長期間、チャレンジできる)メリットがあります。

上で触れたように、新型コロナウィルスの問題以後「直接に対面する」ことなくビジネスが進むなら、極力手間を省いて進めようとする動きも増えました。ホームページを使って業務内容やサービスを告知しつつ、Zoomなどオンラインのコミュニケーションツールを活用することで、自宅にいながらビジネスを展開させることも以前よりも行いやすくなりつつあります。

自宅を本店所在地とする場合のデメリット

自宅を本店として事業を始めることができれば、自宅の一室がオフィスとなり追加の固定費を捻出する必要が無くなります。

ただし、株式会社を設立してこれからビジネスを始めようとするケースでは、本店所在地は登記事項となります。これからあなたの会社と取引を行おうとする人が登記情報を法務局で確認した際、自宅が本店所在地として登記事項証明書に記載されます。

最近はGoogleのストリートビューなどで、所在地付近をネット上で確認することも容易になっています。ビジネスの相手に自宅を本店所在地として見せることに抵抗が大きい場合や、取り扱うビジネスとはかけ離れた土地に自宅があるときは、自宅を本店とするデメリットが生じることになります。

とはいえ、「自宅の場所をあまり知られたくない」という理由から本店所在地を自宅以外にするケースでは、登記には別の欄に代表者の住所が記載されますから、情報としては取得可能な状態になってしまいます。そのため、自宅住所を公にしないという工夫は、あまり意味がなくなってしまいます。

シェアオフィス等の活用を検討

本店所在地が自宅であることがビジネス上の支障になりそうなときは、ワンルームなどを賃借するより安価に済むシェアオフィスやコワーキングスペースを契約して、そこに本店の登記を行う方法をとることで、月の固定費を抑えながら自宅本店のデメリットを取り除くことができる場合もあります。

ただし、株式会社をこれから設立という場面で、本店の住所だけ借りて何も実体のない「バーチャルオフィス」を契約するケースにおいては、株式会社設立後に銀行口座を開設しようとしても、バーチャルオフィスのために断られてしまうということもありえます。

バーチャルオフィスやコワーキングスペース等を契約して本店所在地とする場合は、銀行口座等の開設が問題なく行えるのかどうか、サービス提供元にも確認を取っておくほうが思わぬ事態に陥らずに済むため安心です。

賃借物件を会社の本店とする場合の注意点

なお、会社の本店を自宅にする場合ですが、自宅が持ち家ではなく賃借物件であるとき(特に賃貸マンションやアパートなど集合住宅であるとき)は、その部屋で事業を行うことが許されているのか(本店の登記を行ってもよいのか)、契約を確認するようにしてください。

登記することを一律に禁止している物件もありますが、賃貸借の契約を住居用から事業用の契約に切り替えることで、本店の登記が可能になる物件もあります。

このあたりは不動産屋さんや物件オーナーとしっかり確認をとり、起業後に契約違反で立ち退きや損害賠償を求められないように手を打っておきましょう。

それから、もし株式会社を設立した後に始める事業に国や地方自治体等の「許可」「免許」が必要になる場合、その許可や免許の要件として「その物件で事業を行ってもよい」ことが契約書等で確認できることが前提となることも多いです。

たとえば不動産業や中古品の売買事業など、営業するためには行政の許可や免許を要する事業の起業においては、設立後の手続きも見据えて本店の場所を検討していくことが大事になります。

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