一般社団法人を設立する際、定款に定めておく必要がある「公告の方法」について、迷われる方もいらっしゃいます。
一般社団法人の公告方法には、以下のような種類があります。
- 官報に掲載する方法
- 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
- 電子公告
- 一般社団法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法
官報に掲載する方法を選択する一般社団法人も多いが・・・
株式会社など、営利法人を作った経験のある方が一般社団法人の設立メンバーに含まれていると、上記のうち1つめか2つめの方法を定款に定めて設立するケースも多いようです。
確かに、株式会社といえば「官報に掲載する方法」が定款に記載されていることが多いですし、そう記載しても問題が発生することが稀なので(というよりも、株式会社として公告することが実務上は稀という会社が多いので)、社団法人でも同じ公告方法でOKとの結論に至るようです。
しかし、官報に掲載するとなると、2番目の日刊新聞紙に掲載する方法よりは安価とはいえ、一定のコストが発生してしまいます。そのため、特に任意団体として同好会的に活動していた団体を一般社団法人化するにあたっては、4番目の「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示」という方法も定款へ盛り込む候補として検討する価値があります。
ちなみに、3番目の電子公告を「一般社団法人のウェブサイトに公告を掲載すればよい」と考えていらっしゃる方も多いようですが、電子公告を選択する場合、その電子公告がしっかりと規定の期間に渡って表示されていたことを、第三者的な機関に確認してもらう必要が生じます。そのため、電子公告だからといってコストがかからない、というわけではありませんので、その点はご注意ください。(むしろ、官報に掲載する方法よりも高価になってしまうケースも考えられます)
公告方法を後から変更する場合
もし、一般社団法人の設立当初に定款に記載した公告方法では問題があると、設立後の後日に判断した場合には、一般社団法人の定款を変更して公告方法を変えることも可能です。
ただし、公告方法は登記事項でもあるため、もし定款を変更して公告方法を変えた場合、法務局での登記変更の手続きも必要となってしまいます。そうなると、社員総会を開催するという手間が発生するだけでなく、登録免許税というコストも発生してしまいますから、やはり公告方法については一般社団法人の設立段階から、その団体に適したものをしっかり選んでおくべきでしょう。